ツアーのガイドをしてくださる、一級建築士で建築家の三村大介さんと記念撮影!
お出かけしたいと思っても、残暑はまだまだ厳しいし、日焼けはしたくないし。
でも家からずっと出ないのも、面白くないし。アクティブかつ、インドアな願望に、今日ひとつのソリューションが誕生しました。
それが、タクシーで巡る、東京建築ツアー。東京にある有名な建築物を解説してもらいながら、タクシーで様々なスポットを見学するものです。
普段は狭い範囲を歩いて巡る建築ツアーですが、新しくタクシーのサービスを組み合わせて生まれた、東京の広範囲を巡るこちら。
建築のプロと移動のプロがコラボした今回の企画に、みちのわ応援団のせとん・あらきん・やまんの女子3人組が参加し、ツアーをレポートします!
ー 外壁保存密集エリア、丸の内。
東京駅丸の内南口集合。
この日の予定は、丸の内→上野→表参道→銀座の順で、全4ヶ所の建築スポットを巡ります。
ツアーのガイドをしてくださるのは、一級建築士で建築家の三村大介さん。
株式会社三村建築環境設計事務所の代表であり、建築を教え、伝える「建築ツアー」の講師も手がけています。
さあ出発……と駅を出たら、10歩も歩かないうちに三村さんからストップが。「振り返ってみましょう」と視線を移すと、今日最初の建築。東京駅です。
東京駅
どどん。雄大!
大きな駅だけに、行く機会は頻繁にある東京駅。しかし改めて全体を眺めることって、じつは初めてだったかもしれません。
最初に建てられたのは1914年。東京大学最初の建築学科(当時の名称は造家学科)を卒業した辰野金吾氏の設計だそうです。丸い時計と、細かなあしらいのあるイギリス的な建築が特徴。このあと2回の建て直しがなされていて(1度目は終戦後の修復、2度目は保存・復元工事)、2012年に今のかたちとなっています。
東京のシンボルとも言うべき東京駅について学んだところで、今度はまた、反対側に振り返って。
そこにあるのは、東京中央郵便局とJPタワー。通称KITTEが見えます。
東京駅とは対象的に、削ぎ落とされてあしらいの少ない、タイル張りの建築です。吉田鉄郎氏によるもの。
東京中央郵便局とJPタワー(通称KITTE)
元々は1931年の建物を、2013年に建て替えました。
その際、東京中央郵便局の外壁だけを保存し、タワーの外側にくっつけるようにしてできているのがこちらなんですね。
たしかによくよく見ると不思議な形をしている……!
三村さんによれば、東京駅周辺の建築物は、建物の保存方法がじつに多様。
たとえば日比谷方面に歩いていくと出会う明治生命館や、
明治生命館
第一生命館と農林中央金庫有楽町ビルからなるDNタワー。
DNタワー
海外から見ると、この地域ほど多様な保存方法は特殊のよう。
建築ツアーに参加する外国人観光客の方々はかなり驚くポイントなのだそうです。
三村さんのツアーは建築の話はもちろん、建物が建てられたときの歴史・文化の背景まで解説してもらえます。建築の知識がほとんどなくても、中学や高校で習ったぞ!と思い出せる出来事と建築的トピックスがつながるのは、非常に楽しい。
ちょっとだけ歴史の授業を思い出してから行くのがおすすめです。
たとえば、明治生命館の特徴はブロンズ製の格子や照明だけど、戦時中にはそれらは金属供出で失われていたんだよ、とか。
第一生命館に関しては、戦時中は陸軍の本部があり、戦後はGHQに接収されていたんだよ、とか。
「第一生命館には陸軍の本部があったのに、空襲等の攻撃にあわず、わざわざ残して、むしろGHQの司令部に使われた。なぜでしょう?」なんて話もしてくれちゃう。
さあ、なぜだと思いますか? 答えはツアーのときに是非聞いてみてね!
ー 「公園内」がポイント。上野は文化的な建築スポット。
東京国際フォーラム、日生劇場、と見たところで、タクシーで移動。向かうは次の建築スポット、上野です。
この日の気温は30度超え。タクシーに乗り込むと、感動的に涼しさを感じます。電車を使うと乗り換えも面倒だし、駅での階段の上り下りで体力使っちゃうもんね。
スマホの充電をしながらの移動もできるし、車内ではより詳しく、落ち着いて三村さんの話を聞くことができる。この日に手配してもらった車両は、車のトップが開くタイプのもの。東京の建築群を見上げながらのドライブを楽しむことも可能で、テンションが上がります。
そして、乗車するのは日本交通のEDS(エキスパート・ドライバー・サービス)®の観光タクシー。日本交通9000人のタクシー乗務員から選りすぐられたエキスパート・ドライバーが、私たちをエスコートしてくれます。
上野までの移動時間は約20分。
「建築家というのは、建築のスキルだけじゃなくて、みんなトークも上手なんですよ。
たとえば、先ほど見た日生劇場の建築を手がけた村野藤吾氏。目黒区役所なんかで有名な人です。僕、村野氏のエピソードですごく好きなのがあるんですよ」
なんて。車中では三村さんの「建築家ウラ話」が続く。
話していたらあっという間に上野に到着しました。荷物はタクシーに置いたままでOK。楽チン。乗務員の方と待ち合わせ時間・場所を決めて、ここでの建築スポット・上野公園へ向かいます。
上野公園で見たのは、まずは国立西洋美術館。建築初心者でも「知ってる!」とテンションの上がる、ル・コルビュジエ氏の設計です。
国立西洋美術館
三村さんが「ここで見るべきは、まずあれね」と指を差す先にあるのは、エントランスのあるピロティ。
コルビュジェ氏の掲げた「近代建築の5原則」のひとつで、雨や日差しを避けることのできるゆとりある空間をつくり出しているものです。
これ以外にも、「無限成長建築」や「モデュロール」など、コルビュジェの思想を随所に見ることができる建築となっています。
そしてその向かいにあるのが、東京文化会館です。
東京文化会館
設計は、ル・コルビュジエ氏の弟子である、前川國男氏。国立西洋美術館が建てられた2年後の1961年に完成したものです。
前川氏の、コルビュジェ氏へのリスペクトの表れとされているのが、建物の高さ。国立西洋美術館と東京文化会館は同じ高さでつくられています(ぜひ現地に行ってみてほしい…!)。
東京文化会館の見どころは、公園の中の音楽ホールだということ。
中に入ってみるとわかるんですが、非常に「開かれた空間」なんです。通常、音楽ホールって、コンサートがあるときなどに入口でチケットを見せないと入れない。しかし、ここは、ホワイエまでは誰でも気軽に入れて、中で休憩したり見学したりすることができる。公園には様々な人がいて、人が集う場所だから、という前提が非常に意識されたつくりになっていました。
NEXT
東京・建築ツアー体験レポート【後編】では、表参道・銀座エリアを巡ります!
日本交通とi TRAVEL SQUAREのコラボ企画「タクシーde建築めぐり」
[ 参加料金 ]
この記事は2018年に作成されたもので、2019年10月に料金が改定になりました。
料金の詳細はこちら
*料金に含まれるもの
建築家の解説(レジュメ付き) / 水1本 / 簡単なお菓子
[ 募集人数 ]
各回とも5名様で実施
*人数が集まらない場合は、実施日の2日前にキャンセルのご連絡をいたします。
[ キャンセル規定 ]
2日前~当日 100%
[ お問い合わせ ]
i TRAVEL SQUARE
Email:info@i-travel-square.tokyo
Tel:03-6706-4700 (平日10時~18時)
[ 講師 ]