山野辺喜子さん

セラピスト ・フレグランスコーディネーターの山野辺喜子さん

セラピスト ・フレグランスコーディネーターとして活躍する山野辺喜子さん。天然素材にこだわり、セルフケアのためのオリジナルフレグランスを開発したり、アロマスキンケアクリームを作るワークショップを実施したりしています。そんな山野辺さんのタクシーライフとは。

「 日々の中に香りの力を取り入れて心とからだを整えてほしい 」

山野辺喜子さん

「yes.」の商品はからだに入れても安心な材料のみを使用。全商品の研究開発に山野辺さんが関わっている

Q.まずは山野辺さんのお仕事についてお聞かせください。

2014年にオリジナルブランド「fragrance yes」(以下:「yes.」)の代表となり、アロマスキンクリームやボディオイル、フレグランススプレーなどの商品開発やワークショップをしています。また、カウンセリングを通じて、お客さまが抱えているお悩みを解消するのに最適な「yes.」の商品を提案するのも私の仕事です。代々木八幡にあるラボ「yes. エルブメディシナル」では整体もしています。
現在、岐阜県立森林文化アカデミーで、グリーンウッドワーク指導者養成講座を受講しながら、木工細工の勉強もしています。講座で知り合った林業の方たちが所有する山に、私も連れて行っていただき、ヒバやクロモジ、ヒノキ、スギなどの自然素材を採ってきては、商品開発やワークショップで使っています。

Q.「yes.」について教えてください。

「yes.」は、「on」「off」「refresh」の3つの香りを中心に、こころとからだを整えるセルフケア商品を提供します。できるだけ余分なものを入れずに作りたいので、「yes.」の製品には防腐剤や酸化防止剤が入っていません。「on」はペパーミント、ローズマリーなどの覚醒系の香り、「off」はオレンジやラベンダーなどのリラックス系の香り、「refresh」はゼラニウムやローズウッドなどの気分転換できる香りです。私が山に入るようになってから調香した「森へ行く日」は、森の香りが広がって癒し効果抜群です。
香りには、一瞬でこころとからだを癒してくれる効果があります。忙しい日々だからこそ、一滴の香りを求めている人が多いのではないでしょうか。

Q.ワークショップではどのようなことをされるのですか。

皆さんに香りの成分や効能をお伝えしたあと、私が山から取ってきた自然素材を蒸留して、アロマオイルが取れるまでの一連の過程をご覧いただきます。ワークショップでできる精油はわずか0.01〜0.02ミリですが、そのエッセンスが生活の中で、元気を与えてくれたり、自律神経を整えたりしてくれることがわかると、香りをより身近に感じるようになるのではないでしょうか。
蒸留によって抽出されたアロマオイルの中からご自分の好きなものを選んでいただき、蜜蠟と混ぜ、スキンケアクリームを手作りします。それには防腐剤や酸化防止剤は入っておらず、半年以内に使っていただくようご案内しています。参加者は30〜40代の女性が多いですが、男性やお子様もいらっしゃいます。からだやメンタルに不調を抱えている方や、香りが好きだからという方など、参加してくださる理由はさまざまです。

山野辺喜子さん

たくさんの精油が並ぶ「yes. エルブメディシナル」

「 10年かけてアトピー性皮膚炎を根本から改善 」

山野辺喜子さん

「アトピー性皮膚炎を根本的に治したい」と決めてから10年でステロイドを使わなくても困らなくなったそう

Q.山野辺さんの活動の根底には、アトピー性皮膚炎の克服体験があると伺っています。どんな体験でしたか。

私はアトピー性皮膚炎がひどく、小学校から20代前半までずっとステロイド外用薬を服用していました。子どもの頃は首、手や足の関節のやわらかい部分の炎症やかゆみがひどかったのですが、大人になってからは手と顔に出るように。アトピー性皮膚炎の症状が出ると生活に支障が出るので、そのたびにステロイドで症状を抑えていました。
そうやって長期的にステロイドを使っていたのですが、20代前半の時、整体の先生の「このまま対処療法をしていても、一時的な症状を抑えるだけで良くなったとは言えないよ。時間がかかってもいいから根本的にアトピー性皮膚炎を改善してみては」というアドバイスをきっかけに減薬していこうと決めたんです。

Q.ステロイドを使わずに、根本的に良くなりたいという想いがあったのですね。

はい。まずは、自分の生活習慣を見直し、睡眠や休息のリズムを整えることから始めました。また、添加物の摂取を控え、腸内環境を意識するように。ステロイドを減らしていく過程でアトピー性皮膚炎の症状が出ても、生活習慣と食生活の改善、整体、植物療法などで炎症とかゆみの波が過ぎるのを待つようにしました。すると、30代になってから徐々にアトピー性皮膚炎が治まってきたんです。減薬を始めてから約10年でステロイドを完全にやめることができ、現在に至ります。
ただ、今でも、不摂生をすると、指の関節にアトピー性皮膚炎の症状が出てしまいます。それに対して「なんで出るの?」と思わずに、からだからのメッセージだと受け止めるようにしています。これは自分の生活を振り返るチャンス。yes.のクリームを使い、半身浴や半断食でデトックスをして波が過ぎるのを待ちます。長ければ3か月くらいかかることもありますが、「出てくるものは出す」という自然のサイクルにまかせています。

「 ワークショップは荷物が山盛り
タクシーで移動できると助かります 」

山野辺喜子さん

トランクとバッグを両手に持ち、さらにリュックをしょって移動することも。「荷物が多いのでタクシーがあると助かります」(山野辺さん)

Q.全国で活躍されている山野辺さんですが、移動はどうしていますか?

ワークショップは「yes.」の商品や蒸留器など荷物が多いので、特に都内ではタクシーを利用することが多いです。大きなキャリーバッグを抱えて電車に乗るのは大変なので、タクシーに乗れるとプライベートな空間だし、ドアtoドアだから楽に移動できます。先日神奈川でワークショップをしたときは、ワークショップの行き帰りは電車だったのですが、翌日、都内の自宅から事務所に出勤するときは、疲れていたのと荷物が前日よりも増えたので、タクシーを使いました。
地方では、ワークショップの他に森に入って作業することもあるので、やはり、タクシーだけでなくレンタカーも使います。コロナ禍では控えていましたが、最近は、感染対策をしながら夜に食事会をする機会も増えてきました。お酒が入ると運転ができないので、食事会からの帰りはタクシーでホテルまで戻ることもあります。運転を気にしなくて良いので安心してお酒が楽しめます。

Q.地方でタクシーを使ったときに印象に残ったエピソードを教えてください。

「お客さん、良い香りがしますね」とタクシー乗務員さんに言われたことがあります。ワークショップの帰りだったので、植物成分をブレンドした香りが私に残っていたのでしょう。乗務員さんの「癒される香りですね」の言葉を聞いて、後部座席で嬉しくなりました。
これまでワークショップで、北海道から九州まで訪れました。中でも、福岡のタクシー乗務員さんは、道に詳しい方が多いので毎回驚きます。出張で福岡に来た人はタクシーを利用することが多いようで、乗務員さんも、福岡以外のお客さんの対応に慣れているのでしょう。「そんな道があるのか」と思うような最短ルートを使ってくれることもよくあります。慣れない土地では道がわからないので、道を知っているタクシー乗務員さんにお任せできると安心ですね。

山野辺喜子さん

山野辺喜子さん

山野辺喜子(やまのべ よしこ)
セラピスト / フレグランスコーディネーター
2004年自身のアレルギー改善のためアロマセラピー食事療法・体質改善などを学び始める。また、家族の病を機に、整体・アロマトリートメント・介護などの技術も習得。身につけた知識や技術、実体験を活かし、心身を癒すセラピストとして活動を展開。
公益社団法人 日本アロマ環境協会 アロマテラピーアドバイザー取得
Jurlique認定 Palais Aroma Shool アロマ心理カウンセラーdiploma 取得
内閣府NPO KYG協会 遺伝子栄養学 栄養カウンセラー取得
訪問介護員2級養成研修課程終了
【ワークショップ情報】
「植物蒸留とスキンケアクリーム作り」ワークショップ
12月3日(sat.)4日(sun.)「Purveyors」那須GOOD NEWS NEIGHBORS店
12月25日(sun.)吉祥寺CINQ
詳しい情報は公式サイトをご覧ください。

写真:長原慎一 文:黒澤真紀(mugichocolate株式会社)

※新型コロナウイルス感染予防対策を徹底の上、インタビュー・撮影を行いました。
撮影時のみ一時的にマスクを外しています。

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