一級建築士で建築家の三村大介氏の解説のもと、東京の名建築の数々をタクシーでめぐる人気ツアー「タクシーde建築めぐり」。

夏休み期間限定で子ども向けツアー「タクシーde建築めぐりforキッズ」が運行されると聞いて、タクシー盛り上げ隊メンバーのはるるが小学3年生の娘と参加してきました。

三村先生とタクシーといっしょにパチリ!

今日のコースは丸の内・銀座コース。歴史的名建築からモダンな最新建築まで、東京の歴史と建築のトレンドを体感できるコースです。他に、注目の新国立競技場にも立ち寄る渋谷・表参道コースもあるそうです。

8月の猛暑日でしたが、集合場所の東京駅からすぐにタクシーに乗ってしゅっぱ〜つ!車内はとっても涼しく、ワゴン車両なので広々〜!三村先生監修のマップ付きレジュメもいただき、テンションが上がります。

 

動物の彫刻がたくさん!まるで教会みたいなインドスタイルのお寺

 

まず最初に訪れたのは、1934(昭和9)年に建てられた築地本願寺。

私も何度か前を通り過ぎたことはあったのですが、敷地内に入るのは初めて。

日本の仏教建築では稀なインドスタイルの意匠

いきなり渋いお寺からのスタート。建築にあまり興味がなさそうな娘は大丈夫かな〜?と少し不安に思っていると、三村先生の口からなんと「妖怪」という言葉が!子どもたちの目がキラキラ輝き出しました。なんでも、築地本願寺を設計した伊東忠太氏は妖怪好きで、堂内には変わった動物の彫刻がたくさんあるのだとか。

お寺を守っているのは狛犬ではなく狛ライオン

三村先生のお話を聞きながら、動物をたくさん見つけてメモメモ

巨大なパイプオルガンにびっくりしたり、仏教のシンボル「蓮」の花がモチーフの美しいステンドグラスにうっとりしたり、楽しそう!

みんなで記念写真を撮ってから、タクシーで次の建築へGO!

 

このお部屋は取り外しできるの?落っこちてこない?

 

次に訪れたのは、中銀カプセルタワーと静岡新聞・静岡放送東京支社。この2つの建築はコンセプトが似ていて、小さな箱のような部屋を積み重ねて作られた建築。

中銀カプセルタワー

静岡新聞・静岡放送東京支社

中銀カプセルタワーは「メタボリズム」(生物界で見られる新陳代謝と同じように、都市、建築においても変化に応じて有機的に成長し得る)という考えを具現化させた作品。老朽化のため網で覆われていましたが、まだ人が住んでいて、世界中の建築ファンから壊さないでほしいという声が殺到しているそう。

「このお部屋取り外しできるの?落っこちてこない?」

「お風呂は窓から見えちゃうの?」

子どもらしい質問がたくさん飛び交って、微笑ましかったです。

 

ブティックの1階にあるガラスのショールームがそのままエレベーターに!

 

次は、坂茂氏の設計のニコラス・G・ハイエック・センターへ。

道路の向かい側から全景を眺めながら丁寧に説明してくださる三村先生。ブティックの1階にあるガラスのショールームがそのままエレベーターとなって上がったり下がったりしてる様子に子どもたちは釘付け!

ガラスのエレベーターについて熱く語る三村先生

「じゃあ、実際にあのエレベーターに乗ってみよう!」

という三村先生の声がけに、みんな思わず走り出してしまいました。

「待って〜」

ママたちも慌てて追いかけます。

「どれに乗る?」「これにしよう!」

とみんなで相談してガラスのエレベーターへ。

「わーすごい!」「三村先生がどんどん小さくなる〜」

エレベーターから下を覗き込む子どもたち

エレベーターを降りるとなにやら三村先生が駐車場係の方とヒソヒソ。

子どもたちだけでなく、ママたちも「わぁ!!」と思わず叫んでしまったスーパーサプライズは実際のツアーでお楽しみください。

 

タクシーツアーだから雨でも安心!雨サイコー!!

 

GINZA SIXで休憩してから外に出てみると、急にスコールのような雨が降り出しました。三村先生が乗務員さんに連絡してくださり、ビルの前までタクシーが迎えに来てくれました。しかも、乗務員さんが傘を持っていない私たちに気付いてトランクから傘を持ってきてくださったおかげで、雨に濡れずにすみました。

「タクシーのおじさんやさしいね〜いつも傘もってるのかな」と娘は感心していました。

三村先生からお菓子が配られ、みんなでワイワイ食べながらふとタクシーのサンルーフを見上げると、雨の水滴がたくさん!

「わぁ、きれいだね〜」

「ほんとだ〜」

信号待ちでタクシーが停車すると流れ星のように水滴が流れるので、子どもたちは大盛り上がり。みんなで願い事をしたりして、ママたちもいっしょに楽しみました。

ワゴンタクシーならではのサンルーフからの眺め

 

三村先生から伝授!建築家になるための心得とは?

 

その後は銀座でいくつかの建築をめぐり、最後は集合場所だった東京駅に戻り、三村先生がたっぷりと解説。娘は、期間限定の打ち水も楽しんでいました。

見ているだけでも涼しくなる期間限定の打ち水スペース

ふだん何気なく待ち合わせ場所として使っていたホールには、干支の動物たちや月の満ち欠けが隠れていたり、エピソードがたくさん!いつか娘と東京ステーションホテルに泊まってみたいな〜。

さまざまなエピソードが詰まったホールの天井

最後に、将来建築家になりたい男の子が三村先生に

「建築家になるためにはどうしたらいいですか?」

と質問をすると

「大学に行って建築の勉強をしたからといってすぐに建築家になれるわけではない。友達をたくさん作って、建築以外のいろんなことも知らないといい建築家にはなれないんだよ」

三村先生は中腰の姿勢になって男の子の目をしっかり見ながら答えていました。

日本交通から乗車記念でプレゼントされたタクシーのプルバックミニカー。家に帰ると、いつのまにかテーブルにレゴブロックでタクシー乗り場が登場(笑)。

三村先生の楽しいお話を思い出しながら、写真を貼って、ツアーの感想を書けば立派な自由研究が完成!

娘の付き添いのつもりで参加した「タクシーde建築めぐりforキッズ」。三村先生が専門家ならではの視点で「建築」に込められた設計者の想いなどを分かりやすく解説してくださり、楽しく学ぶことができたし、連日の猛暑で夏バテ気味でしたが、タクシーのおかげで移動も楽チンだったので大満足です。
夏休みも残り少なくなりましたが、自由研究がまだの方にはオススメですよ〜。

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▼ツアー詳細はこちら
http://www.nihon-kotsu.co.jp/taxi/kenchiku/

▼お申し込みは株式会社アイ・ティ・エス(i Travel Square)へ
https://i-travel-square.tokyo/taxi-archtour-kids/

▼三村氏インタビュー記事はこちら
https://michinowa-ouendan.tokyo/taxi-life-tokyo/vol05/

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