20年以上愛用しているサーモスの前身・日本酸素のシャトルシェフ。
煮込み料理や乾燥豆類の下ごしらえに便利。ガスや電気も節約できるのでエコ。
フードコーディネート、メニュー・レシピ開発、執筆活動などなど、さまざまな分野で活躍するフードデザイナーの蓮池陽子さん。長野や山、キャンプで自然に触れながら、レシピのインスピレーションも得ているといいます。そんな蓮池さんのタクシーライフとは。
「 山は最高のレストラン
だからこそ、食材や調味料にこだわります 」
Q.アウトドアやキャンプご飯のお仕事が多い蓮池さんですが、蓮池さん自身もキャンプや登山をされますか?
今は登山が大好きですが、元々は汗をかくのも嫌いなタイプだったんです。ただ、キャンプは小さい頃から行く機会がありましたし、大学生の時に子どものキャンプイベントのボランティアに行ってから徐々にアウトドアに出かけるようになりました。最初は寝袋一つ畳めないし、「寒いのは嫌だからテントの真ん中じゃないと眠れない」と言ってみたり、お姫様状態でした(苦笑)
キャンプには欠かせない愛用の調理道具。長年使い込んでいるロッジの鉄鍋とメスティンのクッカー
でも、山のような素晴らしい風景の中で食べられるところは他にないって思ったんです。山で食べて飲めるだけで、もう最高のレストランだ!って。
もちろん自分で作らないといけないですが、山の上まで来てこんなものが食べられるっていう高揚感はすごいんですよね。なので私は、食材や調味料にもこだわります。テントを担ぐくらいなら、食材やワインを少しでも多く持っていきたいと考えるタイプですね。
山で作ったラムとチキンと野菜の煮込み。自画自賛ですが泣ける美味しさ。笑(蓮池さん)
「 タクシーでドリンクや飴が買えたり
お裁縫セットがあったら嬉しいですね 」
Q.普段タクシーに乗る機会が多いとお伺いしましたが、タクシーを選ぶ際のこだわりはありますか?
JPN TAXI(ジャパンタクシー)※を選んで乗ることが多いですね。広くてゆったりしているので、楽なんです。JPN TAXIに乗りたいので、先頭に並んでいるタクシーではなく、後ろに並んでいるJPN TAXIに声をかけて乗ったりすることもあります。
※ユニバーサルデザインの次世代型ミニバンタイプタクシー。お子様や高齢の方、妊婦さん等あらゆる人が利用しやすいようデザインされている。
Q.タクシーではどんな風に過ごすことが多いですか?
寝ているか、お化粧していることが多いですね。電車の中でお化粧するのははばかられますが、タクシーだと許されるかなと思うんです。タクシーは他の乗客がいないプライベートな空間だからこそ、移動中の限られた時間を有効に使うことができるのも良いところですよね。
タクシーでの移動中は、プライベート空間を有効活用
乗って落ち着いてホッとした時に、ノドが乾いたけど飲み物がない!という時はありませんか? タクシーは充電もできますしとても快適ですが、さらにドリンクや飴など、ちょっとした物を買えたらいいなーと思います。タクシーは急いで乗ることもあるので。
あと、ちょっと気の利いたものが置いてあると嬉しいかもしれません。例えばバンドエイドとか、移動時間にちょっとできるかもしれないお裁縫セットとか。コンパクトもので十分なのですが「こんなものありますよ」と書いておくと、「実はほしかった!」という人は結構いると思うんです。濡れた傘を入れる傘袋もあると、車内も服も濡れなくて良いですね。
Q.次々と画期的なアイデアが飛び出して来ますね!
長野の松本でタクシーに乗った時の話なんですけど、後部座席から見えるような位置に、色っぽい雰囲気の女性のフィギュアが置いてあったんですよ。なんだろうと思ったら、「これがアイキャッチになって印象に残ったら、次に松本に来てくれた時に、『前と同じ運転手さんだ』とわかってもらえるから」と言っていたんですね。観光客が多い地域だからこそのアイデアかもしれませんが、そんなコミュニケーションツールも何か置いておくのはいいと思いましたね。
「 いっしょに作って、食べて飲む『共食』の機会を
どんどん増やします! 」
Q.蓮池さんの料理が食べられるイベントなどがあったらぜひ教えてください。
月に1、2回のペースで 西小山にある「Wine Bar West」等で、「めしと酒 はすいけ」というイベントをやらせてもらっています。その時々で食材は変わり、お酒に合わせた料理を作っていますが、7月末に開催した時は初摘み海苔、三陸のウニ、その場でカットする生ハムなど、まるでお祭りのような豪華さでした。
でも、1年に1回はこんな風に経費を度外視したお祭り騒ぎをしたいと思うんです。いつもお世話になっている皆さんに感謝する「感謝祭」ですね!
イベント「めしと酒はすいけ」で提供された、「名残の山菜プレート」
Q.イベントという場で、いっしょに食べる時間を過ごすのが好きなんですね。
今年は特に意識しているのですが「共食」、共に食べる、ということが私の中で大きなテーマなんです。私は料理教室にはあまり気乗りしないのですが、それはどうしても「教える側と教わる側」に分かれてしまうからなんですね。間に壁ができるのがすごくもどかしいんです。
イベントの参加者と交流する蓮池さん(写真左)
それよりも、いっしょに共同作業をしていっしょに飲んで食べて、その場の空気がすごくいい感じに温まることの方が、私にとってはすごく価値があると感じています。なのでこれからも、いっしょにご飯を作って食べる会をどんどんやっていきたいと思います!
蓮池陽子(はすいけ ようこ)
料理家。東京都出身。
山菜や貝を自ら採取する中で、美味しいものの背景や物語の存在に目覚める。
現在は「食の物語を紡ぐ」をテーマに、ケータリング、料理教室、フードコーディネート、
メニュー開発、執筆など幅広く活動中。
写真:鈴木智哉 文:平地紘子(mugichocolate株式会社)
※新型コロナウイルス感染予防対策を徹底の上、インタビュー・撮影を行いました。
撮影時のみ一時的にマスクを外しています。