ー Hanako ママの表紙は「可愛らしさ」にこだわっているそう。
岸辺さんが手にしているのは、とくにお気に入りの表紙。
子どもとのかけがえのない時間を大切にされている岸辺さんのタクシーライフとは…。
「 働くママに勧めたい! “子連れ出勤” 」
Q.共働きのご主人とは、どのように役割分担をしていますか?
夫は毎晩の夕食作りを担当しています。それ以外の家事はわたしが担当していますが、やはり家事の分担でイライラする時期がありました。休みの日は溜まった家事をこなして終わってしまう…なんとかならないかと解決策を探って、5年前から月に1度、ハウスキーピングをお願いしています。アウトソースすることで心も体もラクになりました。家事分担に関しては、イライラが募ったときに、その都度解決策を見出してクリアしています。
ー 飾らない人柄で、何でもオープンにインタビューに答えてくれる岸辺さん。
自然と周りを明るくする魅力的な方。
Q.働くママとして、これをしておいてよかったなと思うことはありますか?
「職場の人に子どもを見せる」ということです。子どもが小さい頃は大阪の編集部に勤務していて、保育園と編集部が目と鼻の先でした。保育園に子どもを迎えに行ってから、編集部に連れてきて仕事をすることも多かったんです。子どもが熱を出したりすると、スタッフが「編集部に来ていたあの子が熱を出したの?」と心配してくれる。話には聞いているけど会ったことない子と、何度か会っている子では、気にかけてくれる度合いが違うんです。ですから、子連れ出勤できる環境でない方もいらっしゃると思いますが、職場の人に子どもを実際に会わせるというのは、とても大切なんだと実感しました。
Q.岸辺さんがママになった頃と、今と、日本の子育ては変わったと感じますか?
一番変わったのパパたちです。『Hanakoママ』を創刊して間もない頃のパパたちは、撮影に来ても日頃から子どもと接していないんだろうなと感じられましたが、今のパパたちは子育てにも家事にも積極的に参加している人が多い!
うちは平日の夕食づくりを夫が担当していて私の帰宅が遅いこともあり、通常の夫婦とは逆で私がパパのような立ち位置です。
でも夕食づくり以外の片づけ等は、どんなに遅く帰宅しても私が担当しているし、正直、平日に私以上に家事をしているパパはいないだろうと高をくくっていたら、ここ1〜2年は私より家事をしているパパが珍しくないんです。遅く帰ってきても、食器を洗ったり、洗濯機を回して洗濯物を干してから寝るという話を聞きます。それが早くスタンダードになるといいなと思います。
ー タクシー専用車両の機能について説明を受け、岸辺さんは、とても感心されていました。
「 子どもとの時間はかけがえのないもの。
イライラしていてはもったいないです! 」
Q.プライベートでは、どのようにタクシーを利用していますか?
歩ける距離だけど、疲れていて歩けない…そんなとき、自分へのご褒美として利用します。プライベートで一人で乗るタクシーは、まるで自分の部屋のようにホッとできるんです。初乗りが410円になったことでプライベートで乗る機会が増えたという周りの声も聞きます。「徒歩15分」の距離って大人だと簡単に歩けますが、小さなお子さんを連れて15分歩くのはけっこうしんどい。そういう時にタクシーに乗るママは多いようです。
ー 行灯のカラーの違いにも実は秘密が?!ゴールドの行灯は選び抜かれた乗務員が運転する車両につけられています。
Q.今後『Hanakoママ』は、どのような媒体にしたいですか?
働くママには、教育熱心な方がとても多いように感じます。高学歴のほうが将来の選択肢が広がるという考え方もありますし、わたし自身そう思った時期もありました。
でも、子どもがやりたいことに挑戦させ「生きる力を育てる」ということも大事なのではないかと思うんです。
与えてばかりでは生きる力は育ちません。他の子と比べて「どうしてうちの子はできないの?」となるのではなく、とにかく褒めてあげる。どんなことも認めてあげる多様性をママたちに身につけてほしい。そこは押し付けがましく伝えていきたいなと思います。
Q.これからママになる女性へ、メッセージをお願いします。
子どもは大きくなったら確実にママから離れていくものです。
子どもが小さいとイライラしてしまうことも多いけれど、イライラしていたらもったいない!
子どもとの時間はかけがえのないものです。とくにかく子育てを楽しんで、子どもを愛でてほしいと思います。タクシーを上手に利用して、ママのイライラを減らしたり、子どもとの時間を捻出するのも、いいかもしれませんね。
岸辺麻巳
マガジンハウス勤務
『HanakoWEST』『Hanako ママ』の編集長を経て、2018年11月より新しい時代の夫婦のあり方を提唱するオンラインマガジンRethink 夫婦の時間の編集長をつとめる。
共働きの夫と中学1年の息子の3人家族。
文:ほし友実 写真:鈴木千佳