飛田尚子さん01_後編

タクシーに乗ると、ホッとしたり、笑顔になれたりすることがあります。
それは、タクシーがただ目的地に連れて行ってくれるだけの乗り物ではなく、人が創り出すサービスであるからこそ。今回は、乗務員の視点からタクシーを掘り下げます。キッズタクシー乗務員、飛田尚子さんのタクシーライフとは?

【前編】はこちら

「 女性で良かった、と言ってもらえると嬉しくなります 」

Qタクシーの乗務員をしていて、女性で良かったなと思うことはありますか?

お客さんが乗車して、乗務員が女性だと気づくと「ああ、女性なんだ」と微笑んでくれることがわりと良くあるんです。そうすると接客もしやすくなりますし、「女の人で良かった」とおっしゃってもらえると、安心して運転することができます。
また、お子様をご自宅まで送って行った時に、出てきたお母様が「女性だったのね。良かったわね」と言ってくださることもあります。女性だからこそ、お子様やお母さまにも安心感を与えられているんだな、
と感じられて嬉しいです。

Q.お子様を自宅まで送られるとのことですが、飛田さんは、“キッズタクシー”の乗務員としても選任されたそうですね。

はい、今年からキッズタクシーの乗務員になりました。キッズタクシーは、学校の塾の送り迎えや産後の退院など、お子様の移動をサポートするタクシーサービスです。学校から塾へ行く時、塾から自宅に帰る時にお子様一人で乗られる方もいますし、産後検診に行く時に利用される方も多いです。小学校低学年ぐらいのお子様だと、こちらが心を開いて「今日は学校で何があったの?」と話しかけたりすると、いろいろとしゃべってくれます。
先日も、ゲームに出てくる強い武器の話をたくさんしてくれる子がいました。私は知らないゲームでしたが、「その武器が一番強いの?」とか、ゲームを知らなくてもできるような質問を返しながら、楽しく会話することができました。

飛田尚子さん02_後編

「 お子様を乗せるからこそ、いつも以上に安全運転 」

Qなぜ、キッズタクシーの乗務員になろうと思ったのでしょうか?

ドライバーとしてレベルを上げたいと思ったからです。
日本交通には、通常のタクシーのほかに、E D S(エキスパート・ドライバー・サービス)として、キッズタクシー、観光タクシー、サポートタクシーがあります。その中でどれが向いてるかなと考えた時に、キッズが一番自分に合ってると思ったんです。もともとお子様が好きですし、手前味噌ですけど「運転うまいね」と褒めてもらえることも多いので、新生児やお子様の命を預かるキッズタクシーでこそ、生かせると思いました。

文:平地紘子