小林友理奈さん04

乗務員の視点からタクシーを掘り下げるシリーズ。今回は入社2年目の小林友理奈さんです。目的地がわからない時にはナビばかりに頼らず、あえて「道を教えてください」とお客様に聞いてコミュニケーションを取るようにしていると、柔和な笑顔で応える小林さんのタクシーライフとは?

【前編】はこちら

「 お客様と仲良くなって、
思いがけない人間関係が生まれることが面白い 」

Qタクシー乗務員としてのやりがいを聞かせてください。

私は人が好きなので、自分のプライベートでは絶対に会えないような人と出会ってお話しできるのがすごくうれしいですね。タクシーの車内は外の社会と区切られた個人的な空間なので、お客様も個人的なお話をしてくださることが結構多いんです。自分よりも人生の経験値の高い年輩の方のお話を聞くのもとても楽しいです。

Q.お客様とのやりとりで、印象に残っていることはありますか?

私はお客様と結構しゃべるので、仲良くなってジュース代をもらったりすることもあります。最初にお客様が乗った時には1,500円ぐらいの距離の場所を目的地として言われたのに、途中で「話が面白いから、
もう少しドライブしよう」と言われ、東京タワーに行って、お花屋さんで大きな花束を買って「頑張って」と言ってプレゼントしてもらったことがありました。最終的に1万円を超える距離を乗ってくれたんです。ときどき、そういった思いがけないお客様との関係がうまれることがあるのが面白いですね。

「 目標と実績がピッタリ合うと、
パズルがはまったように気持ちいい! 」

Q.タクシーの売上は天候や運によっても左右されると思いますが、大変ではないですか?

私はもともと数字が好きなので、その日ごとに「今日は何曜日だから、何時までに売上いくらを目指そう」とか、1日の営業収入の目標をタイムスケジュールごとに立てています。今月はいくら稼ぎたいという長期目標がまずあって、そこから中期目標として1日の目標を立て、時間ごとの短期目標を組んでいきます。大変という感覚はあまりなくて、パズル感覚で実際の収入が目標にぴったりハマった時や、目標を上回った時がすごく気持ちいいですね。

今日はなかなか目標に届かないなというときは、仲良くしているベテラン乗務員さんに「今六本木にいて全然ダメなんですけど、銀座はどうですか?」などと聞いてアドバイスをもらったりもしています。

Q.休憩時間はどんな風に過ごしていますか?

タクシーは1回の乗務中に合計3時間の休憩を取ることになっているんですが、私は早く走りたいので3時間が待ちきれないんです。安全な運行のために、しっかりと休憩を取らなければならないのですが、休憩終了時間が近づくとそわそわしてきて、合計が3時間1分になったら「よし、オッケー!」と走り出しています。結構負けず嫌いなので、自分が立てた目標に届かないのが許せないんです(笑)。

小林友理奈さん05

「 自分もスキルアップしながら、新人さんを育てたい 」

Q.乗務員として2年目に入りましたが、今後の目標を教えてください。

いま、営業所の教育係の仕事にも携わっています。先輩社員のノウハウを学んで、営業所の新人さんたちに「日本交通で働いて良かったな」と思ってもらえるような指導力を身につけたいと思います。そのためにも、自分の接客や運転技術などのスキルアップを図りつつ、会社のことや営業のことも勉強し、新人さんに聞かれたら答えられるようになりたいです。

そして、タクシー乗務員の経験を積んだ後、内勤の仕事をしたいと思っています。もともと、日本交通という会社に魅力を感じて入社したので、会社をより良くしていきたいですね。今度、運行管理の試験も受けるので、将来に向けて頑張ります!

 


小林友理奈
日本交通株式会社 タクシー乗務員
2019年入社

文:平地紘子