乗務員の視点からタクシーを掘り下げるシリーズの2回目は、入社1年目の女性タクシー乗務員です。三鷹営業所でハンドルを握る、三井絵里加さんのタクシーライフとは?
「 サバサバして、心地の良い仲間たち 」
Qまずは、三井さんがタクシー乗務員という仕事を選んだ理由を聞かせてください。
就職活動中は特にやりたいことがなかったので、入社する会社は人で決めようと思っていました。たまたま日本交通のインターンを見つけたので行ってみたら、すごく楽しかったんです。
新卒担当の方々もいい人でしたし、同期になるかもしれない人たちもいい人ばかりだったので、「ここなら、仕事が大変だったとしても楽しくやれそうだな」と思って決めました。
Q.ほかの会社や業界も見てみましたか?
ブライダルやアパレルの会社にも行ってみましたが、女性が多い“女社会”の雰囲気があまり私に合わなかったんです。その点、男社会のタクシー業界に来るような女の子はサバサバしているのですごく楽で、心地いいなと感じました。
私が今所属している三鷹営業所には同期が3人いるのですが、お互いちょうどいい距離感で仲良くやっています。常に一緒にいるわけではなく、タクシーで現場に出る前と帰ってきた時に会うぐらいがほど良い感じです。
「 昨日もライブでドラムを叩いてきました 」
Q.乗務員のシフトは1日働いたら1日休み、と聞いていますが、休みの日はどんな風に過ごしていますか?
同期と一緒に飲みに行ったり、山梨にドライブに行ったり、同期と遊んでいることが多いですね。買い物やライブにも一緒に行っています。
個人的にはアニメや漫画を舞台化した「2.5次元ミュージカル」が好きなので、勤務明けにお昼の公演を観に行ったり、そこで好きになった俳優さんを追いかけて普通の舞台を観に行ったりもします。平日の舞台は、混雑する土日よりもチケットが取りやすいんですよ。
あと、私は学生時代にバンドをやっていたので、昨日も後輩のライブに出演してドラムを叩いてきました。
Q.ドラムを叩いている姿があまり想像できないのですが、どんなバンドをやっていたのでしょうか?
2つのコピーバンドを組んでいました。一つは「マキシマム ザ ホルモン」とか「SiM」のように頭を激しく振るロックのコピーバンドです。結構激しくドラムを叩いていました(笑)
もう一つは「SCANDAL」のような女性バンドのコピーで、声質も合っていたのでギターボーカルをやっていました。
乗務中にバンドの話もします。お客様にも「バンドやってたよー!」という方が結構いらっしゃるので、音楽系の話ができるのは、私のタクシーのアピールポイントでもありますね。
「 お客様に『急いで!』と言われても 」
Q.普段の運転で心がけていることを教えてください。
安全運転です。急ブレーキ、急発進をしないようにすごく気をつけていますし、曲がる時にはお客さんにできるだけ遠心力をかけないようにも注意しています。
タクシーは早く目的地に着くことも大事ではありますが、とにかく安全にお客様を送り届けることが最優先ですから。お客様に「急いで」と言われた時も、焦らずに交通ルールを守った中でメリハリをつけ、曲がり角は少しゆっくり曲がります。事故を起こしたらどうにもならないので、安全運転を一番に心がけています。
三井絵里加
日本交通株式会社 タクシー乗務員
2019年入社
文:平地紘子