「 “なじみの顔”になれる喜び 」
やまん「キッズタクシーサービスをしていて印象的だったエピソードは?」
今井「初利用の7歳くらいの女の子を塾の送迎で乗せたのですが、人見知りな上にかなり緊張している様子でした。でも私も女の子になんとかリラックスしてもらいたくて、自分から「塾で何を習っているの?」などと、積極的に話しかけ続けました。そうしたら、だんだん心を開いてきてくれている感じが伝わってきて、降りる頃には彼女の方から話しかけてくれるまでになったり。
その後も継続して予約を入れてくださっていることで、自分の自信にもつながりますね。」
中野「こちらも緊張しますよね。今井が言ったようにお子さんは最初ものすごく緊張されるので、本当に満面の笑みで話しかけ続けると少しずつ慣れてきてくれる。数回乗せると今度はいたずらをし始めるんですが(笑)。あとは「塾に行きたくない」と本音が出てしまったり……。でもそれはこちらとしては家にいるかのようにリラックスしてくれているのでうれしいんですよね。ときには僕を下の名前で「嘉彦(よしひこ)」って呼んでくれたり。そういうのは本当にうれしくて。」
今井「中野さんはお子さんたちに大人気ですよね!」
中野「通常のタクシー業務ですと、一度乗ったお客様とまた会う確率はすごく低いですよね。でもキッズタクシーをやっているとまた同じお客様のご利用があって、子どもたちとのふれあいや「中野さんありがとう!」という声を直接いただけるので、また接客の喜びも生まれるんです。タクシー乗務員でお客様から名前を呼ばれることってなかなかないですから。
なじみの顔の乗務員が送迎するということが親御さんも安心できる理由の一つだと思います。」
「 ぬかりない準備で絶対の安心を 」
やまん「これまで意外な使われ方はありましたか?」
今井「東京ディズニーランドへの送迎なんかもありましたね。」
中野「あとは羽田空港まで行って、空港から送り出すまでをサポートする「キッズ羽田サポート」というサービスもやっています。私が担当したのは6歳くらいの子が一人でおじいちゃんの家に行く、というケースでした。それは私たちがチェックインまで一緒に行ってフライト直前まで付き添うんですが、こちらも緊張しますね。飛行機が予定通りなのかとかチェックインの時間は間に合うかとか、そういった下調べや空港内の移動についても自分できちんと調べてシミュレーションできていないといけません。」
やまん「安心を提供するためにどんな準備をしていますか?」
中野「キッズタクシーの乗務員たちで仕事が空いた時間にみんなで集まって情報交換する勉強会を開いているんです。一番多い話題は定期で何回もご利用いただいているお客様についてですが、安心してもらっているかな、と自分では思っていても乗務員ごとに感じ方が違うので、情報を共有して次回ご乗車いただいた時のサービスに活かせるよう努めています。」
今井「個人では、みんな相当入念な準備をしていますね。初めての予約のお客様の場合は、以前に乗せたことのある先輩に事前に話を聞いたり。病院に行く場合でも、車寄せの場所も覚えておかなければスムーズにお送りできない。予約仕事なので、時間に遅れることは許されない。お子さんが一人で待っている時間が絶対にないようにしなければならないですから、迎え先と送り先までの道のりも事前に調べてシミュレーションします。そういったこともお子さんに不安を感じさせないという意味でもとても大切です。でもやって当たり前です。」
中野「あと自分は子どもたちにサッカーを教える時などに、今このゲームが流行っているとかそういった情報を得たりして、話題づくりができるようにしています。」
今井「自分から話しかけるだけでなく、お子さんの話をきちんと聞いてあげられるかどうかも信頼関係を築く上ではとても大事ですね。聞いてあげるときちんと返してくれるんです。」
中野「日本交通では通常のタクシー業務中は積極的に話しかけないようにするのが原則なのですが、キッズタクシーは真逆なんです。お子様にも親御さんにも、楽しく安全な時間を過ごしていただきたいですね。」
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やまん「キッズタクシーの乗務員って、予約が入らない時は何をしているのかなって思ってたけど、道を調べたり、所要時間をシミュレーションしたり、休日も勉強会に参加したり、大忙しなのね〜。
中野さんや今井さんみたいにキッズタクシーのお仕事に誇りを持って日々努力を積み重ねている乗務員さんなら、息子が塾に通うようになったらぜひ送迎をお願いしたいな。」
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